【改憲発言】各党の議論 2017/05/14

NHK 「日曜討論」 より

2017/05/14 NHK「日曜討論」で、安倍晋三自民党総裁が5/3の憲法記念日に提議した「2020改憲発言」について、各党の議論がありました。

その中の、

◎発言そのものについての議論
◎憲法9条についての議論

の一部を抜粋してみました。

安倍晋三自民党総裁の改憲発言について

民進党・福山哲郎 幹事長代理

民進党・福山哲郎議員は、安倍自民党総裁の憲法改正提議についての所感を述べました。

・唐突感は否めない
・発言ごとの「総理」と「総裁」の使い分けに違和感。改憲発言は「総裁」として発言したというが、それは「総理」としての発言と同義。行政府の長である総理が、立法府の国会で発議される憲法改正について、年限のことにまで踏み込んで提議することは、三権分立を侵す行為
・自民党内でも意見がバラバラである
・「読売新聞を読め」とは、国会を何と思っているのか

日本維新の会・馬場伸幸 幹事長

一方、日本維新の会・馬場伸幸議員は、

・憲法は不磨の大典ではない
・日本維新の会は「教育の無償化」「統治機構の改革」「憲法裁判所の設置」を三本柱として独自の改憲案を示している
・設置されて10年になる憲法審査会はその時の政局にとらわれず開かれるのがルールだが、最近は守られておらず、先週の憲法審査会も民進党の妨害によって開会されなかった
・共産党は「総理に憲法は触らせない」というが、憲法は総理が変えるものではなく、変えるのは国民の投票によるもので、国会はその材料を提供するに過ぎない。勘違いをしている

としました。

反論として民進党・福山議員は、

・衆議院憲法審査会が開かれなかったのは民進党の妨害ではない。その発言は言語道断で許されない

としましたが、朝日新聞によると、安倍総裁が、

国会で「読売新聞を熟読して」と答弁したことに野党が反発

し、

「国会の軽視」と激しく反発。政府・与党の説明を求め、11日の開催に応じない構えを見せた

とのことなので、これは結局、民進党が潰したと言ってもいいようです。

「読売を読め」発言は確かに雑な印象があります。でも、国会で答弁するには分量が多く、逐一説明すれば、誰もが「長い、やめろ」と言うでしょう。

安倍総裁は、より伝わりやすい方法を示しただけで、国会軽視などという考えは持っていないことは明らかです。
しかし野党に言葉尻を捉えられたのは、やや迂闊であったと言えます。

いずれにせよ安倍総裁の発言が気に入らないからといって、民進党が憲法審査会を潰すのは、横暴であるように思えます。


つづけて民進党・福山議員は、衆議院ではなく、参議院の憲法審査会に話をすり替えて、

・参議院の憲法審査会が開かれないのは自民党の要望である

としましたが、自民党・下村博文議員からの反論がありました。

自由民主党・下村博文 幹事長代行

下村議員曰く、

・参議院の憲法審査会が今の国会で一度も開かれていないのは、明らかに民進党に問題がある。憲法審査会野党筆頭理事の武正公一議員(民進党)が、天皇の問題からでないと議論しない、としているからである

民進党・福山議員から明確な反論はありませんでした。

憲法9条に自衛隊に関する条文を加える案について

憲法9条に自衛隊に関する条文を追加する案についての議論です。

日本維新の会・馬場伸幸 幹事長

・命を懸けて職務を果たすことを宣言している自衛官のためにも自衛隊の憲法明記は検討に値する

と理解を示し、

・共産党は自衛隊の解散を党綱領に明記しているので、同じ土俵で議論できない

と、共産党を名指しで批判しました。

共産党 小池晃 書記局長

共産党・小池議員は反論しますが、結局、

・自衛隊は、自衛隊が存在しなくてもいい安全保障環境になってからでないと解消させない

と述べ、実現は不可能であるものの、自衛隊を解散させたい旨を述べました。

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