河野統幕長発言と教育無償化について 衆議院憲法審査会 2017/05/25

2017/05/25 衆議院において憲法審査会が開かれました。

この日の議題は「日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件(新しい人権等)」です。

しかし各党、というか野党は勝手に05/03の憲法9条に関する安倍総裁の発言や、05/23に河野統合幕僚長が「自衛隊の根拠規定が憲法に明記されるのであれば非常にありがたい」と発言したことについての意見を述べて、それに対し与党としては反論せざるを得ず、「憲法審査会は政局にしない」という原則が今回も破られた感があります。

この日の統幕長発言について各党の意見を抜粋してみました。

政治的行為を禁じた自衛隊法に抵触するということですが…

感情的には「どこがダメなの?」という思いです。
一自衛官の私的な感想、といった程度のことで、目くじら立てるほどのことではありません。こんなつぶやきにまで違法性を問われるのは気の毒ですし、自衛官への締め付けの厳しさには息苦しささえ感じます。

当の河野統幕長も当然、政治的意図はないと述べています。

やや当惑ぎみでしょうか。

ただ、厳密に自衛隊法に照らし合わせてみると、問題がなくはない、と見ることもできそうなところに、野党が突っ込んでくる余地を与えています。

擁護する与党側も、感情論以上の意見はないように思えます。法律に照らしてみると、やや苦しいような…

そんな中、自衛官の気持ちはわかるけど、と前置きして発言した民進党・細野豪志議員の意見がなんとなくしっくりきたので、上の動画の最後に置いておきました。

自衛官にこの手の発言をさせないためにも、自衛隊を憲法にしっかり明記することは、絶対に必要なことだと考えます。


この日の憲法審査会では教育無償化もテーマのひとつでした。高等教育の無償化を憲法に加えることを主張する、日本維新の会・足立康史議員の意見を中心に、民進党・山尾志桜里議員、細野豪志議員、辻元清美議員とのやりとりです。

山尾議員には「滑稽でしかない」、辻本議員には「頭に血がのぼると論理的でなくなる」と、あいかわらず容赦がありません。一方、細野議員に対しては「感謝する」としています。

党内の改憲議論が進まないことに業を煮やして独自の憲法私案を雑誌に発表し、代表代行を辞任した細野議員が、今後改憲に対してどういう動きを見せるのか注目です。山尾、辻本両議員が反対のための反対に終始するのに対し、改憲については積極的な細野議員の意見は、民進党内で受け入れられているとは到底思えません。「改憲」は、民進党内の火種のひとつとなっているのです。